どうも!わっきん(@mgclstry)です。
ここ数日で6人の人に同じ説明してる。
— わっきん@ボロ戸建から始める不動産投資! (@mgclstry) August 23, 2020
そのボロ戸建買ったあと、何にどれくらいお金がかかって実際残るお金がいくらなのか。
だから、いくらで買えばよいのか。
みたいな逆算の話。
これ、コンテンツ化して、この記事見といて、にしたい。
無責任にこんなツイートしたら思いのほか反響があったので、「ボロ戸建を買ったとして、貸し出すまでに何にどんなお金がかかって、いくら残るのか。」って話を書いてみます。
ただ、私が話せるのは私の経験の中にあることだけですから、つまり、ボロ戸建に関することだけです。
それから、こんなツイートに「いいね」したくなるような方は、おそらく超がつく初心者の方でしょうから、そういう方、初めてボロ戸建を買う人に向けて書きます。
物件を持っていない人の中には、不安で一歩目を踏み出せない方が一定数おられますが、多くの場合、知識不足に原因があるように思います。
ですから、ボロ戸建てを買ったらお金がどれくらいかかり、どれくらい残るのか。私の経験と事例を踏まえて書かせていただきました。
逆に言うと、経験者にとっては、当たり前すぎることも書きますので、短気な人は読まずに閉じていただくのが良いと思います。
めちゃくちゃ長文になるはずなので、1度で最後まで行くのも難しいでしょうし、1度読んだだけではきっと頭に入りませんが、
各章に「まとめ」を書こうと思いますので、まとめだけ流し読みするのもありかもしれませんね。
では、本題に入っていきましょう!
ボロ戸建の購入希望金額は、逆算で求める
まず最初にこの記事の、概念的な結論を書いておきます。
ボロ戸建ての購入希望金額(売主に提示する金額)は、最低希望利回りからの逆算で求めます。
例えば、その物件から得られる家賃が5万円で、希望利回りが税引き前で20%だとします。
家賃収入としては年間60万円ですが、経費が年間で10万円かかるとしたら、利益は50万円です。
ということは、物件を購入してリフォームして貸し出せる状態にするまでに、
50万円 ÷ 20% = 250万円
で仕上げる必要があります。
仮に、仕上げまでに150万円が必要だとしたら、物件は
250万円 - 150万円 = 100万円
で買う必要がありますね。
これよりさらに低価格で買えば、希望利回りの20%を超えてくるわけですが、
そのボーナスを狙うかどうかはあなたの欲と、売主に対する立場の強弱などの置かれた状況から判断する感じです。
こうやって、必要なお金をあらかじめ計算して、目標利回りから逆算することで、自分がいくらでその物件を買うべきか、が導き出せます。
当たり前で簡単な話ですが、おそらく初めての経験だと、
貸し出せる状態に仕上げるるまでに、いくら必要なのか?
の部分がわからないでしょうから、次章以降に書いていきます。
初めてのボロ戸建投資に関わる大雑把な流れ
まずは前提として、全体としての大まかな流れを抑えておきたいと思います。
不動産投資を始める人が、最初に経験するであろう典型的な流れはこんな感じです。
この記事で書くのは、お金に関するところですから、検索の仕方とか相場や立地の調べ方、みたいなことは書きません。
このへんは過去記事に書いた記憶があるので探してみてください。。
あと、初心者でも想像できる金額の部分や、数千円程度の細かいお金については書きません。
契約時にかかるお金(手付金、仲介手数料)
このフローの中で、最初にお金が必要なのは、契約のタイミングです。
現金でぽーんと買っちゃうような、契約と決済を同時に行う場合には必要ありませんが、何らかの理由で契約日と決済日が別の日になる場合は、手付金というお金を払うことを求められることが一般的です。
手付金は、地域によって慣習があると思いますから、仲介の不動産屋さんにいくらくらいが適当か、確認してみてください。
広島県で展開している私の経験では、物件価格の1割くらいが相場なのではないかと思います。
このとき、必ず領収書はもらっておいてください。
ま、これに限らず、お金を支払ったときは領収書を必ずもらうようにしてください。
手付金は物件価格の一部に充当されますから、一部前払いのような性質です。
ただ、もし何か問題があって、買主の側から契約を解除する際には、この手付金は戻ってきません。これを、手付金を放棄して契約を解除する、と言います。
契約の終了方法については、契約前にさかのぼって無効になる場合や、契約は有効に成立したけど解除する場合など、要因によっていろいろな方法がありますが、今回はその点には触れません。
契約書をよく読んでおきましょう。
ってことでお願いします。
ちなみに、契約に関する大雑把な概念を知るために民法・商法を勉強するのはおすすめです。
逆に、売主の側から契約を解除する際には、手付金を返却したうえで、さらに手付金と同額を買主側に支払って契約解除することになります。
また、契約時に、仲介不動産屋さんから、仲介手数料を求められる場合もあります。(契約時半額、決済時半額みたいな業者さんがおられます)
仲介手数料は、成功報酬ですから、契約が有効に成立したタイミングで請求することは可能ですが、何か問題があって決済に至らない場合は、返却されるものです。
仲介手数料は、法律で上限が決まっており、以下の表のようになります。(買主側、2020年8月現在)
物件価格 | 仲介手数料上限(税抜) |
200万円以下 | 5% |
200万円を超え400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円を超える金額 | 3%以内+6万円 |
以上は、一般的な話です。
ここからはボロ戸建あるあるですが、きつい指値をして物件価格が非常に低い取引の場合、
仲介不動産屋さんから、「うちは契約にかみません」と提案されることがあります。
つまり、仲介不動産屋さんとの媒介契約を結ばず、売主と買主との個人間の契約でやってくれって意味ですが、
この場合は仲介手数料は不要です。
しかし、私は仲介さんにお礼として、アドバイス料(コンサル料とか授業料とか)をいくらかお渡ししてます。
また、指値がきつい場合、こちらから個人間契約を提案する場合もあります。
「リスクはすべて負いますし後で文句言いませんから、重説とか無しでお願いします。お礼は別途しますので。」みたいな。
不動産屋さんから見ると、先ほどの表のとおり、価格の低い物件の仲介は、手間の割に報酬が少ないですし、仲介さんとしては、仲介責任を負う必要が無くなり、重要事項説明書等を作る手間も省けますから、喜ばれることもよくありますね。
個人間取引の場合、私は契約書を自分で作りますので、仲介さんにやってもらうことは売主さんとの連絡のみですが、契約書を作れない人は、お願いしてみたらよいと思います。
また、仲介さんが個人間売買を受け入れてくれたら、お礼については、どれくらいにしましょうか?って率直に聞いてみてください。
私の場合、メンドクサイ物件(売主が複数とか、隣地との境界とか、抵当権がついてるとか、対象物件が複数あるとか)であれば10万円、簡単な物件でしたら1万円と言った感じで、難易度に応じてお礼をしています。
関係が構築できているなら、「まだ最初の物件でお金が無くて・・」みたいな感じで1万円とかでもよいと思います。
要らないって言われる場合もありますけど、その場合はまたその人から繰り返し買ってあげるとか、食事に誘うとかすればよいと思います。
この辺は相手との兼ね合いなので、決まった型はありません。
契約時にかかるお金のまとめ
- 手付金は経費ではなく物件価格の一部
- 仲介手数料は物件価格による。ボロ戸建なら物件価格×5%くらい。
- 個人間売買の場合はできる範囲で仲介さんにお礼をする。金額は相手と自分の状況に応じて。
決済・登記・引き渡しにかかるお金
次は、決済や登記にかかるお金です。
決済、引渡しとは、物件の所有権を買主側に移す行為のことです。
代金の残り(=物件価格から手付金を差し引いた金額)を売主に渡し、その物件の所有権が売主から買主に移します。
その所有権が移ったことを、公的に(第三者に対して)明示する手段が、登記です。
不動産を取得した場合に行う登記のことを、所有権移転登記と呼びます。
余談。
たまに間違って、登記をしなければ所有権が移らないと思っている方がいますが、そうではありません。
決済・引き渡しにより、まず所有権の移転が行われ、その所有権移転の事実を公に示すために登記を行う。これが原則です。
登記というのは、必ずしも事実関係を示しているわけではないんです。
だからと言って、登記をしなくてよいわけではありません。
必ず登記は行ってください。
そうしないと、無用なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
所有権移転登記には、お金がかかります。
まず、必ず必要な支払いは、登録免許税という税金です。
それから、登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士さんに報酬を支払う必要があります。
登録免許税
登録免許税は、購入物件の固定資産税評価額から求めることができます。
(1)土地の所有権の移転登記(売買)
固定資産税評価額の2%(令和3年3月31日までの間に登記を受ける場合は1.5%)
(2)建物の登記(売買)
固定資産税評価額の2%
令和2年4月1日現在
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
物件の評価額によって変わりますので、問い合わせ時や内覧時にでも仲介さんに固定資産税評価額を教えてもらえばよいでしょう。
ちなみに、固定資産税評価額は公示価格の約7割くらいになってます。つまり逆に言うと、固定資産税評価額を1.4倍すると、だいたいその地域の実勢価格になります。
ただ、土地の形や道路付けなどに左右されるので過信はできません。
司法書士報酬
司法書士報酬は、依頼する司法書士が自由に決めるものなので、誰に頼むかによって異なります。
司法書士の知り合いがいない場合は、複数の見積もりを取って比較してみてください。
ただ、登記申請は原則、当事者本人が行うものです。
第十六条 登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、することができない。
e-GOV 動産登記法 施行日:令和二年四月一日
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=416AC0000000123#90
行政側も、当事者が自分でできるようにサポート体制を整えていますから、法務局に相談しながら登記申請するのもよいと思います。
自分でやれば、登録免許税だけで所有権移転登記はできます。
自分で所有権移転登記を行う方法については、以前書いた記事がありますので参考になると思います。
⇒所有権移転登記(売買原因)を自分でやって不動産購入時の費用を節約する方法
不動産取得税
それからついでに、この引き渡しのタイミングではありませんが、物件を無事購入すると、あとで忘れたころに(広島県では約半年後)不動産取得税の通知がきます。
不動産取得税は地方税(県税)ですから、各県のホームページで確認していただければよいと思います。
例えばこんなキーワードで検索すれば出てくると思います。
「不動産取得税 税率 ○○県」
税率は3%です。(2020年8月現在)
売買代金ではなく、固定資産税評価額に、税率をかけて計算します。
税率は3%くらいです。
私がこれまで買ってきた物件ですと、建物の評価額が100万円、土地の評価が300万円、不動産取得税は約10万円、みたいなイメージです。
火災保険・地震保険
忘れてはいけないのが、火災保険や地震保険です。
火災保険はどんな物件であっても必ず入るべきだと思います。
火災保険は、物件の構造や大きさ、特約の内容によって契約料が変わってきますから、保険代理店に相談してみてください。
火災保険を契約するときに初心者が悩むのが、保険金額(下りる保険金の限度額)だと思います。
基本的には、同等規模の建物を建て替えるのに必要な金額をかけておけばよいと思います。
ただ、自分で住む家ではありませんから、建物が無くなっても土地として売れる立地であれば、保険金額を低めに設定してもよいと思います。
ボロ戸建てを相場より安く買っていれば、更地で売るだけで利益がでますよね。
もう一つ、火災保険を掛けるときに悩むのは、どの特約を付けるかですね。
私は、以下のようにしています。
必須で入るもの | 地震、施設賠償責任特約、破損汚損特約、臨時費用保険金保障特約 |
立地に応じて入るもの | 水災 |
保険料の目安としては、水災に入らない場合の保険料が約2万円/年、水災を加えると約5万円/年くらいです。
5年契約とか10年契約とかに入ると、割引がありますが、
最初の物件購入では単年契約にして、手元のキャッシュを温存しておけばよいと思います。
決済・登記・引き渡しにかかるお金のまとめ
この章をまとめておきます。
- 登録免許税は物件の固定資産税評価額の2%くらい
- 司法書士報酬は見積もりを取って比較
- 所有権移転登記は自分でできる
- 忘れたころに不動産取得税がくる。税率は3%。10万円くらい
- 火災保険は約2万円。水災に入ると約5万円
では次に行きましょう。
リフォーム・再生にかかるお金
次は、リフォームや再生にかかるお金についてです。
リフォーム費用は、どこまでやるかによって大きく変わってくるところですが、
あなたがボロ戸建てを買って賃貸に出すことを考えている前提でしたら、リフォームは最低限で済ませる方針が正しいです。
最初の頃は、次の物件を継続して買っていくためにも、とにかくキャッシュを手元に残すこと、利回りを高く保つこと、これを意識した方が良いです。
できるだけリフォームせず募集してみて、入居が決まらなければ募集しながら追加リフォームする。
こういう考え方で良いと思っています。
一般的に、リフォームはすればするほど、利回りは下がりますから。。
それでは、リフォームにかかるお金について書いていきます。
壁のリフォーム(壁紙仕上げ)
ボロ戸建てを購入した場合、必ずと言ってよいほど必要になるのが、壁のリフォームです。
壁紙の張替え費用は、これもやはり地域によって相場が異なるようですが、
私が展開する広島では、内装職人さんに頼んだ場合で、1200円/mくらいが相場ではないでしょうか。
材料代(壁紙代)としては、楽天市場で最も安い量産品を探すと、のり付きが1mあたり230円程度で購入できます。(うまくやればポイントで20%ほど返ってきますから200円くらい)
6畳の部屋だと、だいたい30mくらい貼ることになりますので、内装職人さんに頼んで36,000円、自分で貼ると7,000円くらいです。
ただしこれは、元々が洋室の場合など、壁紙を貼るだけの金額です。
和室の砂壁を壁紙に変更する場合は、下地作りが必要ですから、そのぶんの材料代と職人さんの日当が追加になります。
下地の材料代としては、砂壁にベニヤを貼る場合で、ベニヤ板だとだいたい13枚ほど。ベニヤ板の厚みにもよりますが、金額にして約13000円くらいだと思います。
また、6畳の部屋で1日ほど、職人さんが動きますので、大工さんの日当で2万ほど費用が増えます。
ですから、和室を洋室に変更する際は、6畳の和室で約7万円を見込んでおくイメージです。
DIYなら材料代だけですから約2万円ほどでしょうか。
壁のリフォーム(壁紙仕上げ)まとめ
- 洋室⇒洋室の場合、6畳で約36000円、DIYなら7000円くらい。
- 和室⇒洋室変更の場合、6畳で約7万円、DIYなら2万円くらい。
天井のリフォーム
次は天井のリフォームについて書こうと思います。
天井はよっぽどのことが無い限り、リフォームする必要は無いです。
天井は、生活上、あまり目に入らない場所だからです。
やったとしても、
- 玄関から入ったときに目線の中に天井が入りやすい場合(玄関は若干低い位置にありますから)
- 寝室になるであろう部屋(寝るときに天井に目が行きます)
- ソファーを置くであろう部屋(リビングなど)
かつ、このままでは住みたくないほど汚れている場合のみだと思います。
天井の張替えに必要な壁紙の量は、6畳の部屋でしたら約12m、4.5畳の部屋で約9mです。
ですから、6畳の部屋なら材料代で約3000円。
内装職人さんにやってもらうと約2万円くらいですね。
以前も書きましたが、天井のリフォームをDIYで1人で行うのは結構たいへんですから、どうしてもという場合は塗装を選択するのもよいと思います。
塗装する場合は、他の場所も一緒に塗ってしまうのがよいですが、天井だけ塗るとしたら、3000円分くらいのペンキで塗れると思います。
ちなみにいつも使ってるペンキはこれですね。
天井のリフォームまとめ
- 天井リフォームはやらなくてもOK。優先度はかなり低い
- 天井リフォームするなら、自然に目に入る部屋(玄関、寝室、ソファを置く部屋など)
- 1人で天井に壁紙を貼るのは結構タイヘン。
- 壁紙を貼る場合、6畳の部屋で2.5万円くらい、DIYだと3000円くらい
- 塗装の場合は6畳の部屋で3000円くらい
床のリフォーム
洋室床へのベニヤ板上張り
床のリフォームは、上張り(既存の床の上にベニヤ板を重ねて貼る)が、時間もコストも安く済みます。
畳1枚分の大きさのベニヤ板は、ホームセンターで購入すると約1200円/枚くらいですから、
材料代としては、6畳の場合は6枚、約7000円かかります。
大工さんは、1日あれば最低でも1人で2部屋くらいはやりますから、大工さんの日当が1日あたり2万円だとして、1部屋1万円って感じですね。
材料も職人さんに手配してもらう場合は当然、運搬費等の費用が乗ってきます。
畳を撤去してベニヤ板仕上げ
畳を撤去して床を作る場合は、畳の厚さのぶん床を底上げする必要がありますから、根太と呼ばれる、ベニヤ板の下に施工する木材のぶん、材料代が増えますが、数千円見込んでおけば足ります。
こちらも、職人さんに頼むと1日あたり2部屋はやってくれると思いますから、1部屋1万円くらい見ておけばよいと思います。
クッションフロア貼り
床にベニヤ板で下地を作り、クッションフロアを貼る場合です。
床の仕上げとしては、クッションフロアが最も安く済むと思います。(または下地のままでいくとか)
材料費は、デザインや厚みにもよりますが、安く済ませるなら、厚みが最も薄い1.8mmのものを選ぶとよいです。
こんなやつで、1メートルあたり約1000円です。
6畳の部屋ですと、多めに見て約8m必要ですから、8,000円くらいだと思っていたら良いです。
内装職人さんに貼っていただくと、下地と合わせても1日1部屋はやれますので、2万円ほどだと考えていればよいと思います。
洋室上張り、材料施主支給、施工は職人さんに依頼した場合で、かつ、効率よく作業工程が組める場合で、6畳1部屋で4万円くらいでしょうか。
工務店を通すと、当然に工務店の利益が乗ってきます。
フローリング張り
ベニヤ板の下地の上にフローリングをはる場合の材料費は少し高くなります。
楽天市場だと、B級品の訳ありフローリングでこんな感じです。
これは1坪(=畳2枚分)ですから、6畳の部屋だと約2.5万円~6万円くらいです。(デザインやグレードによって値段は変わってきます)
ま、利回り重視の物件で使う必要は無いでしょう。。
フロアタイル貼り
クッションフロアにコンセプトに合ったデザインのものが無いとか、入退去時にも同じデザインを維持したいのでメンテナンス性を重視するとか、その物件を長く持ち続けたい場合、フロアタイルを使います。
例えば、どうしても大理石調のデザインにしたいみたいな場合です。
フロアタイルは、クッションフロアよりは高く、フローリングよりは安いって感じですね。
6畳の部屋で、材料費は約2万円ほどだと思います。
さまざまなデザインがあり、下地のでこぼこも表面に出づらいのなど施工性も高く、傷んだ1枚だけを交換する、といったメンテナンス性能もよいので、私は使うことが多いです。
床についてはこれくらいにしておきますか。。
床のリフォームまとめ
- 一番安くすむのはクッションフロア仕上げ
- おススメはフロアタイル仕上げ
- 6畳洋室⇒洋室で上張りクッションフロア仕上げなら4万円くらい
- 6畳和室⇒洋室でクッションフロア仕上げなら5万円くらい
- 6畳フローリング仕上げの場合はクッションフロアにプラス15000円くらい
- 6畳フロアタイル仕上げだとクッションフロアにプラス12000円くらい
塗装
特に和室を洋室へ変更する場合、柱を塗装するとパリッとしてステキ感が上がります。
ただ、利回り重視の物件では、やらなくても構いません。
ちなみに、私は塗装ほとんどやりません。
塗装は、何回塗れば終わるのかが事前に読めないからです。
シートや壁紙なら確実に1回で済みますし、デザイン的にも選択できますから、私は塗りより貼りです。
もし、壁や床をきれいにリフォームした時に、柱の汚れが目立ちそうなら、塗装してみてもよいと思います。
あとは、DIYでリフォームする場合に、壁紙を貼るのが難しい場所(天井や階段など)では、塗装を選ぶことがありますね。
塗装にかかる費用は、正確に見積もるのは難しいですが、
塗装職人さんを雇う場合は、塗料代金は別で、1日あたり15000円くらいでやってくれました。(広島の場合です)
1日で6畳の部屋の塗装を2度塗りくらいはできますから、1部屋20000円くらいを見込んでおけばよいと思います。
私が良く使う塗料はこちらです。
水性でヤニどめ機能や防カビ効果もあるので、柱等の古い木部にも直接に塗っちゃってます。
これ1缶で、6畳和室の、天井と柱、壁を塗れるくらいの量です。
壁を壁紙で仕上げる場合は、1缶で2部屋くらい塗れるのではないでしょうか。
目につきやすい、ドアなどの建具を塗るのもよいと思います。
塗装まとめ
- 塗装はDIYで十分可能
- 職人に頼むと1日15000円くらい
- ペンキ代は塗る広さによるが、1㎡あたり200円くらい
キッチンのリフォーム
私はこれまで、キッチンの交換をしたことはなく、すべて既存のキッチンをきれいにして使っています。
その際の作業としては、主にキッチン内部の清掃とキッチン扉へのリメイクシート貼りです。
リメイクシートを張る作業は難しくないですし、失敗してもやり直しできますから、職人さんに依頼したことは無いです。
使ってるリメイクシートはこれですね。
キッチン自体を交換しなければならない物件もありますが、その場合、
キッチン設備の価格が約6万円~20万円くらいです。
取り付けに1日見込んだとして、プラス2万円。
キッチンのリフォームまとめ
- キッチンの表層リフォームはDIYで8000円くらい
- キッチンの交換はピンキリで6万~20万くらい
トイレのリフォーム
古い物件だと、便器の交換が必要になる場合があります。
トイレのリフォームには結構な金額がかかりますので、できればそのような物件を避けた方が良いと思いますが、物件価格が著しく低い場合は検討できるレベルだと思います。
競合の状況によっては、和式から洋式への変更が必須になる地域もありますから、賃貸仲介の不動産屋さんによくヒアリングしてみてください。
トイレの広さは、一般的に、床面積が約1畳、壁紙はだいたい13mほど必要です。
材料費としては壁紙は約3000円、床はクッションフロア仕上げで約3000円で作れるでしょう。
和式から洋式に変更する場合、解体やごみ捨て、排水管の引き直し、洋式便器の調達が必要になります。
さらに、温水洗浄便座を取り付ける場合に電気コンセントを追加するなど、どこまでやるかに応じて費用は異なってきますが、
私の経験としては、設備屋さんに依頼する場合で、ぼっとん便所和式⇒水洗洋式の最も手間のかかる変更工事で、約20万円ほどです。
浄化槽を新たに設置する場合は、追加で70万円~90万円ほどのお金がかかります。
浄化槽は行政の補助金がでる場合がありますので、調べてみてくださいね。
ちなみに便器の設置は意外と簡単ですから、DIYで十分やれます。
業者さんには下地作りまでお願いして、内装や便器の設置はDIYみたいな方法もよいと思います。
トイレのリフォームまとめ
- できればトイレリフォームが不要な物件を買う
- 浄化槽の設置には70~90万円必要
- 部屋づくりには業者価格で最大で20万円ほど必要
- DIYでできる部分もある
お風呂のリフォーム
当ブログにはDIYで、お風呂のパネルをはったときの記事があります。
が、あれは正直言ってブログネタのためにやっただけで、実際にはお風呂のリフォームが必要な物件は、買わずに避けたほうがよいです。
お金がかかりすぎるからです。
てことで、省略します。
もしどうしても必要な場合は、購入前に業者さんを呼んで見積もりしてもらってください。
お風呂のリフォームまとめ
- 最初はお風呂のリフォームが必要な物件は買わない
設備の更新
ボロ戸建ての設備は古いことが多いですから、交換しなければならない場合があります。
よくあるのは、エアコン、洗面化粧台、ガス給湯器あたりでしょうか。
この辺りは、地域によってはプロパンガス会社さんが新品を貸してくれる場合もあるようですから、そちらに相談してみてください。
ただ、初めての物件で規模の小さい大家さんだと、ガス関係以外は厳しいかもしれませんね。
給湯器は対応してくれるところも多いです。
エアコンは、6畳用で工事費込み6万円くらいです。
洗面化粧台は、規格としては横幅75cmと60cmの商品がありますが、3万円程度です。
雨漏り、傾きの修理、シロアリ謀議処理、床下換気扇の設置、外壁塗装、屋根の修理、浄化槽の設置など
他にも、ボロ戸建てにはいろんな修繕したい箇所があると思いますが、お金がかかりすぎますし、見積もりの正当性を見極めるのも難しい場合がありますから、初心者向けではありません。
素直に見送るのが良いと思います。
リフォーム費用に関してはこれくらいにして、次に行きます。。
リフォームのまとめ
一応、リフォーム全体に関してまとめておきますが、全部を把握できてる必要は無いので、大事なことだけ書きます。
- 表層リフォームで済む物件を買うようにする
- 初期は手元のキャッシュが重要!リフォームしすぎないようにする
- 初めて物件を買う時は、DIYするつもりであっても、リフォーム費用は業者価格で試算しておく
- 6畳を目安に、和室⇒洋室の床壁リフォームで約7万円、DIYなら3万円くらい
入居者探し、賃貸契約・入居にかかる費用
次は、賃貸契約・入居にかかる費用です。
入居者探しにかかる費用
初めての物件ですと、入居者募集は不動産屋さんにお任せするのが良いと思います。
物件購入前やリフォーム前に、近隣の賃貸仲介不動産屋さんに賃貸需要や相場のヒアリングしたり、リフォームの方針を相談してお世話になると思いますが、そのお礼も兼ねて、まずはその人にお願いしたらよいと思います。
基本的に、賃貸募集をするだけでしたらお金はかかりません。
ただ、その仲介さんから情報を取得するために、お土産を持って行ったり食事に誘ったりくらいは、してもよいと思います。
賃貸契約にかかる費用
無事に入居者が見つかり、賃貸契約に至ると、不動産屋さんによっては、広告費を請求してくるところもあります。
私が展開するエリアでは、広告費は家賃1ヶ月分が相場のようです。
広告費のことを、ad(エーディー)とかアドと呼ぶ人もいますね。
advertisementのことだと思います。
敷金や礼金、前受家賃から支払える範囲であれば手出しにはならないので気にする必要はありませんね。
入居者探し、賃貸契約・入居にかかる費用まとめ
以上が、入居者探し、賃貸契約・入居にかかる費用です。
- 賃貸客付け業者さんをやる気にさせるための費用を惜しまない
- 賃貸契約時に広告料を支払う場合がある。地域によって相場は異なるから聞いてみる。
運営・クレーム処理にかかるお金
次は運営中にかかるお金です。
入居者からのクレーム処理にかかる費用は内容によりますが、自然災害や事故によるものであれば、火災保険の対象となる可能性がありますから、確認してみるとよいです。
かりにクレームが無くとも、必ずかかる経費が、火災保険料と、固定資産税です。
火災保険については、決済・登記・引き渡しにかかるお金の章で書きましたから、ここでは固定資産税について書いておきます。
固定資産税は地方税ですから、各自治体のホームページで詳細を確認できますが、大雑把に書くと、
1月1日時点で土地、建物、償却資産を持っている人に課せられる税金です。
固定資産税額の計算方法ですが、
- 建物に関しては固定資産税評価額の1.4%(2020年8月現在)
- 土地に関しては固定資産税評価額の1.4%の6分の1(2020年8月現在)
です。
目安として家賃の0.5~1か月分くらいだと思えば、だいたいあっているのではないでしょうか。
例えば、先に出した例と同じく、
建物の固定資産税評価額が100万円、土地の固定資産税評価額が300万円とすると、土地建物合計で年間21000円の固定資産税がかかります。
運営・クレーム処理にかかるお金のまとめ
- 賃貸中のクレームも自然災害や事故の場合は火災保険が適用できる場合があるので確認する
- 固定資産税は評価額の1.4%くらい
- 固定資産税は物件評価によって異なるが、だいたい家賃の1か月分くらい
納税
最後は、納税の話です。
無事入居者との契約が済み、家賃をいただきながら運営し、
12月(法人の場合は決算月)を迎えると、
1年の利益を確定させて、利益に対して納税を行います。
不動産からの所得は、総合課税と言って、サラリーマンの給料との合計所得に対して課税されます。
余談
ちなみに、所得とは、収入(=サラリーマンで言うと給料)のことではありません。
収入から経費や控除を差し引いた額が所得です。
控除には、基礎控除、配偶者特別控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除、扶養控除などなど、様々なものがあります。
課税される所得金額 | 税率 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
日本の所得税は、累進課税制度を採用していますので、所得が増えると税率が上がります。
例えば、
毎月の給料が25万円、ボーナス年間4か月、所得330万円のサラリーマンを例にとると、こんな感じです。
- 所得のうち195万円の部分には税率5%
- 所得のうち195万円~330万円の部分には税率10%
ここに不動産からの所得が加わり、家賃収入から経費を差し引いた所得が50万円だとすると、所得の合計が380万円となりますので、こうなります。
- 所得のうち195万円の部分には税率5%
- 所得のうち195万円~330万円の部分には税率10%
- 330万円~380万円の部分には税率20%
つまり、この人が物件を購入して家賃を得ると、その家賃に対して20%の所得税がかかるってことですね。
この所得税以外にも、住民税が約10%課税されます。
住民税は、ふるさと納税制度を使って少しでも還元を受けましょうね。
税金まとめ
- 不動産からの所得は総合課税
- 所得と収入は異なる意味
- 日本の所得税は累進課税制度
- 家賃収入にかかる所得税は人それぞれ。サラリーマン所得によって異なる
【具体例】7号戸建物件のばあい
以上で、ボロ戸建て不動産投資に関わるお金についての話は終わりです。
抽象的な話も多かったので、難しかったと思いますから、
最後にイメージを具体的にするため、私の物件を一つ例に挙げて具体例を書いて終わりたいと思います。
どれでもよいのですが、以前ポールさんにも来ていただいて、広島図面舞踏会の勉強の場となっていた7号戸建てを例に挙げてみたいと思います。
この物件⇒20万戸建を捧げる話
物件を仕上げるための費用
この物件についてです。
- 物件価格20万円(固定資産税の評価額:建物約103万円、土地約394万円)
- 仲介手数料ゼロ(仲介業者さんの入らない個人間の売買)
- 所有権移転登記費用8万円(DIYのため登録免許税のみ)
- 不動産取得税約15万円(半年後)
ここまでが物件の取得にかかったお金で、約43万円です。
これとは別に、火災保険(水災無し)が1年あたり約2万円かかっています。
次は、リフォームです。
物件はこんな感じの間取りです。
広島図面舞踏会メンバーの練習用だったので、この物件はほとんどDIYしています。
- 右上の和室床をクッションフロアに変更(約1.5万円)
- 右下の和室床をフローリングへ変更(約5万円)
- ダイニング、洋室にクッションフロア施工(約3万円)
- ダイニング、洋室、右側の和室2部屋に壁紙施工(合計で約2.5万円)
- エアコン12畳用の設置(約8万円)
- 洗面化粧台の更新(約3万円)
- テレビモニタ付きインターホンの設置(約1.5万円)
こんな感じで、リフォーム費用の合計が約24.5万円。
合計で賃貸に出せる状態になるまでにかかったお金は、約67.5万円。
賃貸運営の収入と経費
この物件はジモティーで入居者が見つかったので賃貸客付け費用は掛かってません。
他には、
- 家賃収入5.5万円(年間66万円)
- 固定資産税約2.5万円
- 火災保険が約2万円
ですから、何も修繕が無ければ、年間の利益は61.5万円です。
てことは、税引き前の利回りは91%くらいです。
税金
ただ、利益を出すと税金がかかってきます。
青色申告をしていれば、この利益61.5万円に対して10万円(事業規模の人は55万円もしくは65万円)の控除が受けられますから、
不動産からの所得は51.5万円です。
この所得に対して、税金がかかりますが、先ほど例に挙げたサラリーマンがこの物件を買ったとすると、51.5万円に対して20%の所得税がかかり、10%の住民税がかかりますから、
実際に手元に残るお金は、約36万円です。
これが、税引き後キャッシュフロー、本当の利益ですね。
初期投資67.5万円にたいして、利益は36万円ですから、
実際の利回りは53%ということになります。
税引き前と後で、ずいぶん利回りの印象が変わりますね。
そのボロ物件、いくらで買いますか?
それでは、この記事の元々の目的に戻りまして、目の前の物件、いくらで指値するか?
答えはこの記事の最初の方に書きましたので繰り返しになりますが、
自分が期待する利回りと、かかる費用を想定して、逆算で物件価格を提示してください。
税引き後の利回りでは計算が非常に難しいですから、税引き前の利回りで逆算するのが良いと思います。
私は、税引き前の利回り目標を20%、最低でも15%と設定しています。
編集後記
非常に長い記事になった割には、融資や減価償却、節税など、まだまだ書いてないことはたくさんありますが、
ボロ戸建て投資の収支や提示金額の考え方について、なんとなくでもイメージできましたでしょうか。
冒頭にも書きましたが、長文ですし、1度読んだだけでは自分のモノにならないでしょうから、
また戻ってきて読んでいただいたり、ブログやTwitterで私へ問い合わせるなどしていただけたら、定着するのではないかと思います。
以上、お疲れさまでした。
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