どうも!わっきん(@mgclstry)です。
この記事では、私がやっている賃貸需要の調べ方を紹介します。
戸建て賃貸は供給数が少ないのもあり、基本的に賃貸需要はアパート等と比べると高めですが、どんな戸建でも良いわけではありません。
この記事の対象は、これからボロ戸建てを買って不動産投資を始める方です。
逆に、既に戸建物件を3つ、4つと所有している方にとっては、すでに身についている考え方だと思いますので、読んでいただく必要は無いと思います。
それでは、本題に入っていきたいと思います。
賃貸需要を構成する要素
まずは基本的な考え方ということで、「賃貸需要とは何だろう?」って話からです。
ひと口に「賃貸需要」と言っても、賃貸需要という名前の物質が実際にあるわけでも無く、ゲームのように数値化されているわけでも無いわけですから、パッと見て確認できるようなものではありません。
しかし、「賃貸需要」を構成する要素に分解して考えてみると、少しはわかりやすくなると思います。
分解の仕方には人それぞれいろんなやり方があるんでしょうけど、
例えば、3C分析というフレームワークを使って、各要素に分解してみることができると思います。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
3C分析はめちゃくちゃ有名なフレームワークですから、
実際に使ったことがある人は少ないかもしれませんが、聞いたことくらいはあるのではないでしょうか。
3C分析(スリーシーぶんせき、さんシーぶんせき)とは、企業のマーケティングなどにおいて、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の観点から市場環境を分析し、経営戦略上の課題を導く分析ツールのひとつである。元マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長でビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一が考案した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/3C%E5%88%86%E6%9E%90(Wikipedia)
ちなみに、こういう賢い人たちが作ったフレームワークを使う利点は、考え漏れを無くせること、プレゼン時にそれを聞いた相手側が考え漏れが無さそうと感じやすいことです。時短ツールですね。
話を戻します。
ここからさらに、賃貸経営という観点から各々のCの中身を考えていきたいと思います。
- Customer(市場・顧客)
⇒立地(地域の人口流動性、交通、周辺施設等)、顧客(職場、世帯構成、収入、所有物等) - Competitor(競合環境)
⇒ライバル物件(家賃、築年数、間取り、設備、デザイン等) - Company(自社環境)
⇒対象物件(家賃、築年数、間取り、設備、デザイン等)
このような要素を調べて、
これから買おうとしている物件に入居できる人物像が存在しており、期待する収益を得られ、競合物件との比較で負けない物件を作れるか?
これが判断の方法になります。
賃貸需要の調べ方
上記の賃貸需要を判断するために必要な情報を調べる方法について書いていきます。
これには観点別にいくつか方法があります。
まずは、過去の状況を参考にする方法として、以下の2つが挙げられます。
- 近所の不動産屋さん(賃貸客付け仲介業者)に聞く
- インターネットで調べる方法
次に、現在の情報を参考にする観点として、
- 現地調査
さらに、未来の予測を参考にする方法として、
- その地域の都市計画を参考にする方法
があります。
近所の不動産屋さん(賃貸客付け仲介業者)に聞く
項目として最初に挙げましたが、この方法が最も信じられる情報で、最も信じるべき情報だと私は思います。
その物件のエリアを守備範囲にしている不動産屋さんに訪問または電話して、物件情報をお伝えしていろいろ聞きます。
できれば複数(3件ほど)の不動産屋さんに教えてもらいましょう。
過去にもちょこちょこと記事に書いてますから重なる部分は多くなりますが、
最初に物件の概要(住所、間取り、家賃、築年数、駐車場の有無、想定する設備)を伝えた上で、
以下のようなことをヒアリングします。
- 客付けできるか?
- できるとしたら家賃や条件はどの程度か?または自分の想定条件で付けられそうか?
- この立地を望んで借りに来る人がいるか?いないとしたらどこを望んでいる人が流れてくるか?それはなぜか?
- 年間に何件くらいの問い合わせが期待できるか?
- どういう人(会社や家族構成など)が入居する可能性があるか?
- 人気、または必須の設備は?
- 転勤で流入してくる可能性の高い会社はあるか?その会社に住宅補助はあるか?
これくらいの内容を聞ければ、どれくらいの物件に仕上げればどれくらいの家賃でどれくらいの期間で決められるか、または難しいかがわかりますね。
インターネットで調べる方法
これは不動産屋さんにヒアリングする前に先にやっておきたいことですが、ネットである程度の調査をしておく方法です。
不動産屋さんへヒアリングするときは答え合わせをするくらいのつもりで、あらかじめ調べておけば、ヒアリングの際に理解が深まると思います。
大手賃貸ポータルサイトで調べる
まずは、多くの大家さんが入居者募集をする際に利用するサイトを使う方法です。
私の場合はHome’s、SUUMO、at homeの3つを見てます。
これらのサイトで、競合となりうる物件の情報を取得します。
競合となりうる物件というのは、ひと口では言いにくいほど視点がありますが、
例えば同じ小学校区の物件だったり、
駅からの徒歩時間が同程度の物件だったり、
同程度の築年数で同程度の間取りの物件だったり、
同じ間取り同じような設備の物件だったり、
ざっくり言うと、比較対象となりそうな物件です。
ここで忘れてはならないのは、
ポータルサイトに掲載されている物件は、まだ入居が決まってない物件だということです。
つまり、この条件のまま決まるとは限りませんから、同程度を目指しているとなかなか入居が決まらないってこともあり得ます。
GoogleMapsで地域の情報を調べる
次に、地図から賃貸需要を予測する方法です。
基本的には、住む人が必要とする生活施設が揃っていれば、賃貸需要は問題ありません。
確認するのは、物件の周辺施設とその距離です。
- 食料品店
- コンビニやチェーン店
- 駅
- バス停
- 病院
- 教育施設(保育園・幼稚園・学校など)
自分の物件に駐車場があり、車で生活するのがメインのエリアなら、距離というよりは道路幅のほうが重要かもしれませんが、さすがに車とはいえ遠すぎると入居付けに苦労すると思います。
もし近くにチェーン店があれば良いですね。出店前にマーケティング調査を行い、町の将来の予測を行ったうえで出店しているところも多いです。
また、学校については、ガッコムというサイトで、その学校の状態を調べると良いです。
例えば小学校の児童数の変化が見れますので、エリアの人気度の参考になります。
ついでに、これは地図等ではわかりませんが、
小学校については、放課後クラブ(と言ったら通じる?)のような、学校の授業が終わった後で児童を預かってくれるサービスがあるか?
集団登校か否か?など、
親が子供の安全を心配して気になるようなことは、調べておくとよいと思います。(現地調査の際に近所の人に聞くなどの方法で)
大学が近くにあるなら、大学の移転計画が無いか?
大きな会社が近くにあるなら、業績や財務状況など、確認できればよりよいと思います。
大きな学校や職場が複数あると、賃貸需要の面でも安心ですね。
政府統計の「住宅・土地統計調査」で地域の情報を調べる
次に政府統計ですが、無理して使う必要は無いと思いますので、詳しい説明はしません。他のツールでも十分情報は得られます。
もしドミナント戦略を採ろうと思っている方は、ぜひ調べてみてください。
この統計データからは、各地域の持ち家率や空き家率など、さまざまな情報を計算することができます。
賃貸物件の空き家率が高すぎる地域は、苦戦する可能性が高いということになります。
市町村の人口動態統計で調べる
多くの自治体では、人口の増減についての情報を公開していると思います。
「○○市 人口動態」といったキーワードで検索してみてください。
ちなみに人口動態には、社会動態(社会増減)と自然動態(自然増減)がありますが、
社会動態のほうが、転入転出を意味しますので、この数字を確認してみてください。
人の動きが無い地域では、当然引っ越しも少ないですから、賃貸需要の目安になります。
Home’sの「見える!賃貸経営」で調べる
次に紹介するのは、有名ポータルサイトHome’sの「見える!賃貸経営」です。
このツールを使うと、ヒートマップで指定した地域の賃貸需要(正確にはHome’s掲載物件の検索回数に基づくデータ)や、家賃相場(正確にはHome’s掲載物件の家賃)が見えます。
使いかたは見ればわかると思いますので、ここでは説明しません。
Home’sに掲載された物件が少ない地域ではあまり役に立ちませんけど、定期的に見ておくと参考になると思います。
SUUMOの「賃貸経営サポート 賃料・設備相場チェッカー」で調べる
次に紹介するのは、SUUMOのデータを活用した「賃料・設備相場チェッカー」です。
こちらも、指定した地域の賃料相場を調べることができます。
こちらも使いかたは見ればわかると思いますので、ここでは説明しません。
また、その地域における人気設備の情報も得られますので、特に駐車場の要否については、よく確認しておくとよいと思います。
現地調査で調べる
次は現地調査です。
現地では、周辺施設や交通機関、周辺住宅の駐車場の台数など、実際に歩きながら、リアルな生活情報を入手します。
周辺の住宅がみんな駐車場複数台あるのに、購入しようとしている物件が駐車場無しだとさすがに厳しいですし、
職場へは車で通うことになりそうか、公共交通機関を使ってビジネス街へ行けるか、など実際の生活を想像することで、ターゲット入居者像(ペルソナ)を設定するのに役立つ情報になります。
バス停があれば、路線を確認したり、始発や最終の時刻を確認し、残業した時にも帰ってこれるか?確認しておきましょう。
近所の本屋やコンビニの品ぞろえも、どんな人が住んでいる地域なのか想像するための材料になりますね。(特にコンビニは販売データを分析しており、売れる商品を取り扱っていますから)
また、つぶれたコンビニやチェーン店が見つかったら、採算が取れないから撤退した、ということも考えられますね。要注意です。
もし、近所の住民を発見したら、雑談してみるのもよいですね。
その地域の都市計画を参考にする
次は、エリアの将来性を見ておこうという話です。
以前、別の記事に書いたことがありますが、都市計画を参考にします。
具体的には、検索エンジンで「市町村名 マスタープラン」のように検索すると、市役所など地方自治体の都市計画のページが見つかると思います。
その都市計画を見て、将来的に、そのエリアをどのようにしていこうとしているのか?を確認します。
住居用の物件でしたら、住居用地域として発展させようとしているのかどうか、それは重要区域として扱われているのかどうか、など、将来にわたって物件を運営していけるかどうかの目安になると思います。
また、地域の出店計画を検索してみるのも参考になると思います。
賃貸需要の調べ方 初級編まとめ
以上が、賃貸需要を判断するための情報の集め方です。
調べた内容を総合的に検討し、自分の物件に想定内のコストで入居者が付きそうかどうか、検討してみてください。
必ずしも全部を実行する必要は無いのですが、最低でも、近隣の不動産屋さんへのヒアリング、現地調査、ポータルサイトでその地域の賃貸物件の調査はした方が良いです。
やはり、今起きている生の情報から得られる情報量は多いですから。
ちなみに私の経験上、安定して運営可能な物件では、ひねり出さなくても自然に、こういう人を狙えば行けるだろうな、と予測ができます。
無理やり、例えばメチャクチャ希少な人を狙う必要がある場合などは、たいてい苦戦しますね。
参考になれば幸いです。
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以上です。