先日20万円で購入した7号戸建の、隣地を購入することが決まりました。
契約はまだですから、売主様の気が変わらなければ、ですけどね。
ま、誰も買わない土地だと思いますから、ほぼ決まったと思ってます。
今は、契約決済の日程調整中です。
そこで、この隣地の取得に至るまでの経緯を紹介したいと思います。
土地のスペックとしては、
300坪でちゃんと公道に接道している、市街化区域の第一種低層住居専用地域です。
これだけ聞くとよい感じですが、もう何年も開拓されていない無傷の300坪(広島図面舞踏会のいとやすさん命名)です。
7号戸建ての課題
この7号戸建てですが、安く買えたのはよかったものの、1つだけ難があったんです。
それは駐車場。
7号戸建の接道は写真のようになってます。
スロープを上ったところに建物があります。
このスロープ部分に1台だけ車を停めることができるのですが、傾斜が急で幅もギリギリ、雨や雪が降ると滑るので、ますます停めにくい。。
このままだと、車を持たない(例えばバイクの)単身者を狙うことになります。
ファミリーに住んでいただくには、7号戸建の立地的に、最低1台、できれば2台以上の駐車場が欲しい。
ということで、隣の空地を駐車場にしたいと思うようになりました。
※隣地は、1枚目の写真右奥に入り口だけ写っています。
まずは登記簿を取得する
まず最初に、空地の所有者を調べるため、隣地の登記簿を取得しました。
登記簿は、誰でも取得することができます。
そもそも登記という制度の目的が、不動産に関わる権利関係を第三者へ示すためのものだからです。
登記簿には権利者の記載欄があり、所有者を知ることができます。
ただし、正しい情報が登記されてない場合もあります。。
自分で登記するのも難しい話じゃないし、お金もそれほどかからないんですけど、「登記は司法書士に依頼するもの」というバイアス(既成概念)が邪魔をしていますね。
参考記事→所有権移転登記(売買原因)を自分でやって不動産購入時の費用を節約する方法
ちなみに、もっと詳しい所有者の探し方を、国土交通省が発行しているので、リンクしておきます。
地上げを検討の際に参考になると思います。
一般的な所有者の調べ方→http://www.mlit.go.jp/common/001178694.pdf
まずは手紙作戦
話を戻します。
今回の場合、幸いにも数年前に相続登記が行われていましたので、所有者の特定は簡単でした。
直接会いに行こうかと思いましたが、
知らない人がいきなり訪問してきたら気持ち悪いだろう、
と考え、まずは手紙を書きました。
実際の文章は公開しませんが、手紙の構成はこんな感じです。
「自己紹介→手紙を書いた理由→オファー→回答期限」
手紙を書くうえで気を付けたのは、冒頭で謝らないこと。
「突然のお手紙申し訳ありません。」
って、最初に書きたくなるんですよね。
でも、
「謝るような手紙なら送ってくるなよ。何か企んでんのか?」って思われたら終わる
と思い、書かないようにしました。
しかし結果的には、残念ながら、とても工夫して書いた手紙でしたが、お返事はいただけませんでした。
直接訪問
手紙の返事が返ってこなかったので、まず、その住所に売主様が住んでいるかどうかを調べました。
直接訪問です。
しかし、お会いすることはできませんでした。
7号戸建を仲介してくれた不動産屋へ相談
この時点で、相続登記された所有者が亡くなっている可能性、または引っ越しされている可能性があると思いました。
住民票や戸籍謄本で追いかけていくこともできますが、
平日の会社勤めをしながらだと時間がかかりすぎる懸念がありました。
そこで、7号戸建を仲介してくれた不動産屋さんを頼ることに。
電話をしてから、詳細をメールしました。
このメールで、所有者様へのオファーの内容とそれぞれの優先順位、
それから、「こういう順序で、こういう言い方で話してください」と伝えました。
私の希望としては、優先度順にこうでした。
- 草刈り等を条件に無償で使用貸借(しようたいしゃく)でお借りする
- 駐車場として賃貸契約を結んで使わせていただく
- スロープの拡張工事を行うための境界確認
最後に、
「所有者側から売買の話が出るようなら検討するが、こちらからは言わないでほしい」
と伝えました。
隣地の所有者様を発見
不動産屋さんは、しばらくすると、登記簿上の所有者の息子さんを見つけてくれ、訪問もしてくださいました。
しかし、お仕事をされており不在にされていることが多く、なかなか会うことはできなかったようです。
繰り返し訪問していただき、結局、会えるまで1か月ほどかかりました。
所有者様は亡くなっていたわけではなく、息子さんと一緒に住むために引っ越していたことがわかりました。
やっとコンタクトがとれる状態までたどり着きました。
所有者様から逆オファー&交渉初日
それは、神戸のIKEAへ照明器具等を買い出しに行った日でした。
リフォームの参考にしようと、異人館を見て回ってるときに、不動産屋さんから電話が。
不動産屋さん
「所有者様とお会いできました。いただいた通りの内容でお話しさせていただきましたが、使用貸借は不可、小さなお金をやり取りするのも面倒だから、できれば買ってほしいという話になっています。どうされます?」
私
「やっぱそうきましたか・・あの土地は手放すのが難しそうで、欲しくないんですけどねぇ。7号戸建をいくらで買ったという話はしていただけました?」
不動産屋さん
「はい。メールいただいた通りにお話ししております。」
私
「わかりました。そしたらクサビは打てていると思いますので、20万なら検討できるよ、ってことでどうでしょうか」
不動産屋さん
「(笑)承知しました。20万の戸建も初めての経験でしたが、300坪の土地を20万というのも初めてです。所有者様に聞いてみます。」
:
(1時間くらい経過)
:
不動産屋さんから再度電話。
「所有者様と金額についてお話ししました。もう少し何とかならないか?とのことです。いかがされます?」
私
「そうですか。。金額の提示はありましたか?」
不動産屋さん
「いえ、もう少し何とかとおっしゃるだけで、聞いても金額の提示はありません。相場はわからないけどもう少し、とおっしゃるだけです」
私
「そうですか。。ま、特に欲しいわけじゃないので即決はできないです。まずは週末に再度現地を見て検討します。週末まで待ってもらってください。」
こう言って初日は保留しました。
とはいえ、私としては、駐車場として使いたい土地なんです。
選択肢が売買しかないのであれば、買いたいのが本音です。
しかしここですぐに答えを出さなかったのは、
- 他にライバルがいないことがわかっていること
- 欲を出した所有者様をけん制するため
でした。
所有者様からの連絡
それから3日ほど経過して、不動産屋さんから電話がありました。
不動産屋さん
「先ほど所有者様からお電話いただきまして。。20万円で良いから買ってほしいとのことでした」
私
「そうですか。承知しました。ただ、まだ現地を見てませんから回答はできないです。」
やっぱり買わない!って言われそうで不安になったんですかね?
この時点で私、もう少し価格を下げられそうだな、と思いました。
週末。現地確認
週末に現地確認を行いました。
広島図面舞踏会からも3人ほど来てくれました。
実はこの土地、私が駐車場として使いたい土地部分に、広大な山林が繋がっていました。
しかも、フラットな形状ではなく、3段に分かれた構成になっていました。
写真だと分かりづらいですが、写真右側の柵を見ればイメージが伝わるでしょうか。
私が立っている位置が一番上の段(駐車場として欲しい土地)、その先に中段があって、さらに先、小屋が建っている場所が下段です。
しかも、写真左側の山林も含むというのです。
さらに下段には、小さな倉庫が建っていました。
また、下段からも公道に接道していました。
といっても、車が1台通れる程度の間口です。
※分かりにくいので、上から見た時の図を作ってみました。
伝わりますかね。上から見たらほぼ山林ですが。。
さらに、売主様は、
山側(上記画像右上側)との境界は、よくわからない。
測量はもちろん、境界の確定は無しでそのまま買ってほしいと言うのです。
出口を探る
現地を確認した時、たまたま中段の土地の隣人老夫婦にお会いしました。
庭で畑をされており、たまたま作業中だったんです。
この土地の歴史や敷地の境界位置や当たり障りのないこと、いろいろ雑談をする中で、
ひょっとして中段の土地をもらってくれないか?
と思ったのですが、
「もう年だし、庭だけでもしんどいのに、要らないねー」
って即断で拒否されてしまいました。
いつかもう一度、アプローチしてみたいと思っています。
価格を提示する
現地確認を終え、不動産屋さんへ伝えた結論はこうです。
- 上中下段すべてであれば16万円
- 上段のみなら20万円
どちらかを選んでください。
16万の根拠は、20万からの値引き幅として、これより下げると抵抗感が大きくなるかなと思ったからです。
20万の根拠は、建物を20万で購入しておいて、駐車場にこれ以上かけるのはツマラナイと思ったからです。
二択にしたつもりが、実は一択だった・・
ただ、このときは気づきませんでしたが、
これって、選択肢を示したように見えてますが実際は一択でした。。
部分的に売ろうとすると、分筆が必要になるんです。
てことは、測量が必要になるということ。。
土地家屋調査士の費用がかかっちゃうんですよね。
で、不動産屋と調査士さんが現地に行ってくれたのですが、境界関係者も多いため測量に20万円以上かかることがわかりました。
となると、売主さんは赤字は拒否されていたので、選択肢は、16万円で売るか、破談か。の2択ってことです。
間違ったなーって思いました。
もっと高額を示していたら結果は違ったかもしれません。
合意
選択肢を示した30分後、不動産屋さんから連絡がありました。
不動産屋さん
「売主様とお話しいたしました。16万円で良いから全部を買ってほしいそうです。」
私
「わかりました。ありがとうございます。進めてください。」
最後はあっさりしたものです。
こちらが提示した選択肢を選んでくれたのに断るなんて、できませんから。
振り返って
かくして、登記簿の取得から始まる、駐車場獲得作戦は遂行されました。
反省点もありますが、すべてが良い経験だと思っています。
なにより、7号戸建と無傷の300坪を組み合わせて、
合計36万円で駐車場4台程度の物件が手に入ったと思えば、良い話ですよね。
しっかり仕上げて運用し、
チャンスがあればさらに隣地を購入して領地を拡げるか、建物と一緒に売却したいと思っています。
仕上げると言っても、
この物件は広島図面舞踏会のみなさまのスキルアップ用に使うと決めたので、
いつになることやら??ですけどね。
頑張りましょう!
でわ。