もう滞納は13か月になっていますから、このタイトルはおかしいですねw
滞納者対応シリーズの7回目です。
最初から読む方はこちらからお願いします。→10か月分の家賃を滞納した約束を守れない入居者対応①
この火曜日に、2回目の調停に行ってきましたので、続きを書きたいと思います。
前日に相手方主張の確認
調停当日の話ではなく、まずはその前日の話から書きます。
前日の朝に裁判所へ電話をしました。
事前に相手方の主張がわかれば、対策を検討する時間が少し取れるかなと思ったためです。
私:「相手方から何か書類が届いてますか?」
正直私は、調停の場以外でこういった情報は教えてくれないのでは?
と思っていたのですが、意外にも対応していただけました。
書記官:「いえ、特に書類等は届いておりません」
残念・・と思っていたら、その日の午後に裁判所から電話がありまして、
書記官:「今朝お問い合わせいただいておりましたが、今、相手方の代理人から書類が届きました。」
私:「わざわざご連絡ありがとうございます。どういった内容か教えていただけますか?」
書記官:「はい。趣旨だけ読み上げますね。まず、今月末までに荷物を撤去されるそうです。また、滞納の件については、滞納金額から敷金を差し引いた金額に対して、毎月6千円ずつ返済すると書かれております。詳しい内容は明日ご確認ください。」
という感じのやり取りでした。
この情報をいただけたので、調停をどのように進めるかについて、絞って検討することができました。
ダメだと思って電話してなければ得られなかった情報です。
自分で勝手にダメだと判断せず、ダメモトでも電話してみてよかったと思いました。
前日に考えたこと
毎月6千円ずつ支払うといっても、それはつまり完済まで何年もの年月がかかるってことです。
何度も約束を破られながら、10か月もの滞納に至った相手ですから、
正直、そんなに長い期間、約束を守り続けられると信じることはできません。。
なので、期間をいかに短くするか、という点については、提案を考えていきました。
また、提案内容に対する疑問点もピックアップし、相手がこう答えたらこう、こうだったらこう、みたいな想定シミュレーションを検討しておきました。
調停委員
1回目の話し合いの際には、相手方が来なかったため、言ってみれば初めての調停体験ですが、
前日に情報が得られてある程度話し合いの内容が想定できていたため、当日は気持ちに余裕がありました。
まずは申立人(私)と調停委員(2人)が同じ部屋に入り、本人確認等を行います。
次に、相手方からの提案について説明がありました。
ちなみに、調停委員の人たちの仕事というか、立場がわかっていると、いろいろ期待したりがっかりしたりせずに済むと思います。
簡単に書くと、調停委員はこんな役割を持っています。
- 紛争を、中立の立場で、話し合いによる解決へ向かわせること
- 折り合いが付いたらその結果を書面に起こすこと(これが、裁判で判決を得たのと同様の効果をもちます)
つまり、中立の立場ですから、
基本的に主張は聞いてくれますが、どちらかが有利になるようなアドバイスはしてくれません。
また、賃貸業について詳しいわけでもありませんから、
私たち大家にとって常識的なことでも、知らないと思って話した方が良いと思います。
今回の人たちは、我々大家が直面する滞納や立ち退きなどの紛争よりも、離婚問題(離婚調停)の方が圧倒的に経験豊富みたいでした。
あと、アドバイスではなく事実として、法律的な解釈や判例は教えてくれるのかな?と思って、
いくつか質問をしてみましたが、法律の解釈についても、あまり詳しくない感じでした。
例えば、連帯保証人に対して債務を一部免除した場合、この免除の効果は契約者本人の連帯保証人以外の相続人に対して波及するのか?みたいなことを聞いてみましたが、わかりませんって回答でした・・
(理論的に連帯債務と本人の債務は別物なので、波及しないはずと思ってるのですが・・)
ま、聞き上手なおじちゃんおばちゃん、程度の感覚で良いかと思います。
話し合い
相手方の主張の詳細はこうでした。
- 相手方は生活保護受給者である。また病気で通院中である。
- 受給している生活保護費は、○○円である。
- そのうち、1日の生活費は○○円なので、30日で△△円、家賃が○○円、携帯料金が○○円、光熱費が△△円・・・
- なので、頑張っても返済可能な金額は6千円である。
- よって、滞納金額から敷金を差し引いた金額を、毎月6千円ずつ分割して支払う。
- 〇月〇日までに荷物を撤去して明け渡す
これに対して、まずは疑問点をぶつけることにしました。
- 荷物の撤去に関しては了解。進めて。
- 原状回復費用についてはどう考えているのか?
- 相手方は高齢のため、長期の分割払いは果たせない可能性がある。主張にある生活費は一人暮らしの人にしては多く計算されているように見受けられるため、月々の支払いを増やして期間を短くすることはできそうである。
- 支払いの手段について言及がないので考えを聞きたい
- そもそも、亡くなった契約者には相当額の財産があったと、仲介業者および連帯保証人から聞いている。これを連帯保証人が相続しているとしたら分割の必要が無いのではないか。具体的には・・・のような話を連帯保証人から聞いている。
ここまで話したら、調停室をでて相手方と入れ替わり、待合室で待ちます。(相手方と顔を合わすことはありません)
私はこの待っている時間に、相手方の家賃について調べてみました。
どこに住んでいるのかがわかるので、物件名を調べて・・近隣の不動産屋さんに電話して・・
そしたら、全く違う家賃だったんですよね。
やはり、相手方からの提案は、6千円ずつ分割で支払うことを前提で組まれた、数字合わせのでっち上げであろうことを確信しました。
回答次第では徹底的に攻める心づもりをして待ちましたw
話し合い中断・・
とここで、調停委員の方が待合室に入ってきて、
相手方代理人が時間切れ(次の仕事がある)なので次回の日程調整をしたいと・・
残念ですが、
調停委員の方から、相手方と話した内容の説明を受けて、この日は解散となりました。
こっちは本業を休んできているのに・・
今回の結果
進み方が遅くてイライラしますが、この日の話し合いの結果は以下のようになりました。
- 退去日が決まった(滞納金額の増加が止まる)
- 原状回復については状況を見て次回相談
- 相続財産の件は、相手方代理人が把握していなかった、これがあれば一括払いできるということで、事実確認をして次回相談
ま、とりあえず荷物が撤去されれば次に行けますから、最低限の成果はあったのかなと思います。
次回は、退去後の部屋の状況の話になりそうですね。
ごみ屋敷&長期間不在の部屋なので、どの程度あれているのか・・
心配です。