クソボロ物件はまだ方向性が定まらず、もうしばらく保留です。(ずっと保留だったりしてw)
ただ、実践記のネタが無いとブログのネタ的に困っていますから、久しぶりに理論的な話でも書いてみようかなと思います。
ということで今回選んだテーマは、マーケットインとプロダクトアウト、この2つの言葉についてです。
大雑把に言うと、2つとも、商品開発の際のプロセスや考え方、スタイルを表す言葉です。
ニーズの無いところにお客様はいない
まず、大前提の話ですが、
事業を語るとき、その思考の中心には必ずお客様(顧客)を置く必要があります。
考えてみれば当たり前の話で、顧客のいないところで商売は成り立たないからです。
もっと言うと、顧客=ニーズ(=必要性があること)と考えてもよいと思います。
事業とは、価値の提供と対価の受け取りですから、
誰にも必要とされていない事業は無価値=儲からず成り立たない、ということですね。
顧客のいる場所で事業を行う。これは大前提です。
では、本題に入ります。
マーケットインとは?
マーケットイン、のよくある説明としては、こうです。
顧客の意見やニーズを基準に商品開発を行うこと。
つまり既に存在するニーズに合わせて商品を作るスタイルのことです。
プロダクトアウトとは?
同様に、プロダクトアウトのよくある説明としては、こうです。
企業や事業主側の視点で、自分たちの作りたいもの、作れるものを基準に商品開発を行うこと。
自分たちの作りたい商品を作ってから、あとで売り方を考えるスタイルのこと、ととらえている人も多いです。
歴史的に見た、プロダクトアウト、マーケットイン
歴史的に見ると、かつて企業の商品化のスタイルとしては、プロダクトアウトが主流でした。
洗濯機や冷蔵庫、テレビなど、家電製品は良い例です。
最新の技術を開発できる会社が、その技術力を活かして、これまでの生活を一変(この場合は主に作業の自動化)するような、新しい家電製品を開発する。
そのような技術革新によって生み出された家電製品は、その機能性が評価され、瞬く間に一般家庭に普及しました。
世の中にない機能を、作れば売れる。そんな時代です。
図式化すると、
技術開発⇒商品化⇒一般顧客がニーズに気付いて売れる
です。
しかし近年になって生活レベルが上がると、このような家電製品は持ってて当たり前になりました。
どこの会社が出す洗濯機も、洗濯機能と言う意味ではどれを選んでも満足できる。
そして新たな付加価値で差別化する必要がでてきたのです。
言ってみれば、機能の陳腐化、ニーズの多様化です。
- 機能はそこそこでよいから安い商品が欲しい。
- 自分の使い方にとって必要十分な(良すぎず悪すぎない)商品が欲しい
- 誰も持ってない商品を自己表現の一つの手段として持ちたい
こうして、作れば売れる時代は終わり、みんなが同じものを持つ時代が終わりました。
そこで、プロダクトアウトに代わってもてはやされ始めたのが、マーケットインという考え方です。
この考え方では、最初にユーザのニーズを調査・把握し、それに合わせて自社の技術開発を行い、商品開発を行います。
図式化すると、
ニーズの把握⇒技術開発⇒商品化
です。
こういう話をすると、
プロダクトアウトは時代遅れであり、マーケットインの考え方で商品づくりをするのが正しい、
と感じてしまうかもしれません。
近年、確かにそういう風潮はありますが、
必ずしもマーケットインが素晴らしく、プロダクトアウトがダメなわけではありません。
マーケットインにも、プロダクトアウトにも、単にそれぞれの特徴があるだけで、どちらが正しいというべきものではありません。
顕在ニーズに合わせていくか、潜在ニーズを掘り起こすか
忘れてはいけないのが、
マーケットインも、プロダクトアウトも、
その土台には顧客のニーズが存在するということです。
最初に前提として書いたように、ニーズの無い価値は無価値と同じだからです。
そして、一定の規模のニーズのある所に商品を投入できれば、事業としては成り立ちます。
プロダクトアウトでは、顧客が持つ潜在的なニーズを、商品によって顕在化させることで、事業として成り立たせます。
マーケットインでは、顧客の持つ顕在的なニーズを把握し、そこに商品を適用させることで、事業として成り立たせます。
それぞれの大きな違いは、顧客ニーズが顕在化しているか?それとも潜在的なものなのか?ここです。
次は、この違いが生み出す特徴についてです。
マーケットインは的中率、プロダクトアウトは爆発力
顧客の顕在化したニーズを狙うため、マーケットインは的中率が高くなります。
作った商品が受け入れられる可能性が高い。という意味です。
既にお客様自身が、自分のニーズを理解しており、
そこにニーズに応じた商品を提供するのですから、
「そうそう、これが欲しかったんだよ!」
となるわけですね。
しかし、ニーズが顕在化しているということは、
競合他社もそのニーズを把握している可能性が高いことになります。
既に競合他社の商品が存在している市場に、自社が後発で切り込んでゆく場合もあるでしょう。
そうなってくると、当然のように競争が起こります。
てことは、自社が独占することは難しいんですね。
しかし、確実にニーズはあるところを攻めるため、ある程度の市場シェアをとれます。
以上がマーケットインの特徴です。
逆に、プロダクトアウトに関してですが、
まだニーズが顕在化していないため、
自分たちが最初にその潜在的ニーズを突くことができる可能性があります。
ただし、
実はそんなニーズは存在していなかった、なんて誤算もあり得ますから、
プロダクトアウトは、的中率(売れる確率)が低くなります。
また、顧客自身はニーズに気づいていない(潜在)ため、
気付かせてあげるなど、市場を作っていくためのコストがかかる場合もあります。
しかし、このようなハードルを乗り越えてうまくいけば、競合のいない市場を独占することができるのです。
そういう意味では、爆発的に利益を生み出す可能性があるのがプロダクトアウトの商品開発スタイルです。
ただし、潜在的ニーズを掘り起こして顕在化した後は、競合他社も参入してくることが考えられますので、競争にはなります。
もちろん、正しく投資を続ければ、先行しているぶんだけ有利に戦い続けることができるでしょう。
・・話が脱線しそうです。
以上のように、マーケットイン、プロダクトアウトにはそれぞれに特徴があります。
どちらかが優れている、なんてことはありません。
【まとめ】不動産賃貸業における私の考え方
これ以上書くと、深みにはまってしまい、またもや記事が完成しない可能性がありそうです。
ニーズの調査はどうやるの?とか、マーケットインだと自分たちに意思はないの?とか。。
書いてたらキリがありません。
なので、そろそろ一般的な話は終わりにして、
最後に、じゃぁ私はどう考えてるの?
って話だけして終わろうと思います。
結論から言うと、
状況によって柔軟に使い分けるのが私の根底にある考え方ですw
が、これでは説明になりませんので、
今の状況下でどうしているか?をお話しします。
私は、事業を始めて初期の資本力の低い時期は、的中率重視の運営が良いと思っていて、
今も、基本的にはマーケットインの考え方を採用していますね。(例外はあります)
確実に実績を作り、確実にキャッシュフローを生み出すことで、死亡&退場の確率を下げるということです。
例えば、物件を取得する前に、こんなことをやってます。
町を歩いたり、ポータルサイトで競合調査をしたり、地域の不動産屋さんからヒアリングしたりして、
どのようなニーズが確実に存在していて、さらにその中でどのニーズの板が厚いのか(需給バランス)を調べます。
さらに、物件の現在の状況と自分の持つ技術や人脈から、ニーズに合った商品づくりができるか、判断します。
そしてさらに、数値的なシミュレーションを行って最終判断を行う。
こんな感じです。
以上、マーケットイン、プロダクトアウトについて、私なりに解説してみました。
参考になれば幸いです。
でわ。