先日の記事(最もリスクの小さい不動産投資)でも書きましたが、住み替えを画策中です。
つまり、新たにボロ物件を自宅として購入し、現在の自宅は売却(希望額で売れなければ賃貸)しようということです。
で、これに関連していろいろ調べたり計算したので紹介しようと思います。
最もリスクの小さい不動産投資の検証です(^^)
あ!今回の記事は架空の話のうえ、数字が多くなりますので読まないほうがよいかもです!
不動産屋さんへ自宅の評価を相談
まず、お世話になっている不動産屋さんに相談しました。
話によると、こんな感じです。
売却の場合
土地が800万円(近隣の実勢価格から算出)、建物の価値をどう乗せるかだが、200万円からスタートして様子を見るイメージ。不動産屋が買い取るとしたら500万~600万なので一般の方へ売る方が良い
賃貸の場合
家賃6.5万円~7万円くらいが相場だろう。上からスタートして様子見る感じ。
これで大体の計算はできるようになりましたので、具体的な数字で計算してみました。
これまでに自宅にかけたお金
次に、これまでに自宅に関連して出ていったお金をざっくり計算してみました。
自宅を購入したのは、約8年前です。物件価格は築28年で900万円、これまでに約230万円ほどかけてリフォームしています。
住宅ローンは900万円を20年、2.1%の元利均等払いで借りましたので、毎月約4.6万円の返済です。
8年経過した現在、残債が約630万円、残期間は12年になります。
ざっくりまとめると以下のような感じです。
- 物件価格 900万円
- 仲介手数料、司法書士、住宅ローンなど物件購入時の諸費用 約70万円
- リフォーム費用 230万円
- これまでに支払った固定資産税 約40万円
- これまでに返済した住宅ローン額 4.6万円×8年間=約440万円
つまり、780万円が、現在の自宅に対して支払ったキャッシュの合計です。
自宅によって増加した純資産
ここからは机上の計算になります。
もし仮に、同じ物件を、購入せず賃貸で借りていたと考えたら、家賃約6.5万円として、家賃として支払うはずだった金額は8年間で約620万円です。
敷金、礼金、仲介手数料、保険などで2か月分のマイナスがあったと考えれば、さらに約13万円が必要になり、
合計は約633万円になります。
現在の自宅に対して支払った金額(780万円)と、架空の家賃を比べると、
780万円ー633万円=147万円
つまり、賃貸でこの家に住んだ場合と比べて、147万円多くキャッシュを支払ったことになります。
ここだけ見ると、自宅を買わない方が良かったように見えますが、
住宅ローンの元金返済分が、
900万円(借入金)ー630万円(残元金)=270万円
ありますので、純資産としてはこの8年間で
270万円ー147万円=123万円
ほど増えたことになります。
てことで、この自宅を賃貸ではなく購入して住んだことによる利益は、8年で780万円使って123万円のプラス。
もちろん、もっと長く住み続ければ、ローンの元本返済分の比率が増え、純資産の増加スピードは上がりますので、利益は多くなりますが、
とりあえず現時点では、利回りは約2%。
微妙です(^^)
自宅を売却した場合
まだまだ皮算用は続きます。
現時点で123万円の純資産増加に貢献した自宅ですが、これを、売却する場合の計算です。
仮に自宅を、1000万円で売り出し、1割引いて900万円で売れたとします。
売却にかかる諸費用(仲介手数料や住宅ローンの全額返済手数料など)が約60万円として、残り元本の一括返済分も差し引くと
900万円ー60万円ー630万円=210万円
が手残りキャッシュです。
ここから、先ほども出てきた「払いすぎた147万円」を引くと、純資産の増加は63万円という計算になります。
ちょうど諸経費の分、少なくなりました。
物件を売却するので、この場合は利益確定となります。
利回りは1%
銀行に預けるよりはマシですかね(^^)
ただし、キャッシュとしては210万円が手元に残ります。
キャピタルゲインはとれませんし利益もしょぼい確定ですし、もし土地値の800万円まで売れなかったりするとマイナスになってしまいますが、
売却することで手元にキャッシュが残り、より高い経験値を持って次の物件へ再投資できる、と考えることもできそうです。
安く買わなければキャピタルを取るのは難しい
実はこの自宅、購入当時の地域相場では、土地が600万円でした。
実際に購入した金額は900万円ですから、築28年だったことを考えると、建物の評価はせいぜい100万円。。
おそらく、200万円ほど高い価格で購入してしまったと考えられます。
ま、こんな状況だと売却益が出ないのは当たり前ですね。。
購入当時はキャッシュフローしか考えてなかった(ローン返済額より賃貸収入が高ければOK!というノリでした)ため、物件価格に対して甘くなってしまいました。
ま、今思えば、って話で、当時の私は気づきもしなかったわけですが、次に活かしたいと思います。
ただ、そうだとしても、ボロ戸建でキャピタルゲインを得るのって、難しいなと思います。
特に、買う時にも売るときにもかかる仲介手数料などの諸経費。。
物件価格の約10%とよく言われますが、それってつまり、仮に物件を土地値で購入したとしても購入した時点で10%損してるってことですよね。。
通貨取引や株式売買でも手数料を取られますが、こんなに取られませんからね!
他に十分な収益があって、経費計上による節税効果が大きい、
などの別のメリットがあれば考え方もかわるでしょうが、不動産でキャピタルを狙うことが如何に非効率か・・という話が実感できました。
やはりよく言われるように、不動産からの収益というのはインカムゲインを基本とすべきなんだと思います(特に人口が増えず地価が大きく上がらない今の時代の田舎では)
皮算用をやってみての感想
ということで、自宅にまつわる皮算用をいろいろやってみました。
こういう計算を具体的にしてみることで、いろいろ調べて勉強しましたから、相場観や経験値の向上にはつながったと思います。
特に、単にキャッシュフローとかインカムゲインとか投資の成否を判断してはダメで、売却(もしくは永久保持)まで視野に入れておかないとダメだなーとか。出口戦略に関してはシビアになれそうです。
また、真剣に、できるだけ正しい計算を目指すことで得られる気づきは、大きかったように思います。(この記事には書いてないことも含めて)
ぜひやってみてくださいね!
~~
あ、最後に補足ですが、この計算は自宅物件を対象にしたため、建物の減価償却による評価減を考慮していません。
事業用の物件であれば、途中年度の税金の減額分への配慮が必要になりますし、
また、減価償却した分だけ、売却益は出やすくなりますが、今度は譲渡益に対して課税がされることになります。
減価償却を考慮した時の損得については、機会があれば記事にしてみたいと思います^^